ピッチ変更による多音高音源レポート
ぶっちゃけ,これって意味あるの?ってことを検証.
目次
- 背景
- ピッチ変更による狙い
- ピッチ変更に使うソフト
- 実験
- 考察
背景
多音高音源というのは,複数の音高で録音された音源である.
例えば,C4(ド)の音で録音された音源は,C4付近が得意な音域となる.
追加で,A4(ラ)で録音すると得意な音域が広がる.
さらに他の用途にも使える.
例えば,C4(ド)の原音がノイズなどが乗っていて使えない場合に
代理として,A4(ラ)の原音を使うことが多々ある.
しかし,やはり音源の録音量は単純に2倍になる.
単独音ならまだしも,連続音だとやはりかなり問題になる.
ピッチ変更による狙い
録音量を増やさず,効果的に得意な音域を広げることが目的である.
ピッチ変更に使うソフト
使うソフトを選ぶ上で最も重要な点が,UTAUよりもピッチ変更が自然である点だ.
UTAUで変更した方が自然ならば,音源を多音高化する意味がないからである.
というわけで,今回使うのはプロ御用達のピッチ変更ソフトMelodyne plugin.
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実験
今回使う音源は,桃音モモ 連続音&単独音Liteセット/F4だ.
桃音モモのあれこれ@wiki - アットウィキ
歌唱には,故郷(ふるさと)を用いる.
得意な音域を広げることが目的なので,桃音モモには無理してもらうことにする.
故郷(ふるさと)低音域ver
故郷(ふるさと)高音域ver
Melodyne pluginを用いて,1オクターブ上と1オクターブ下の音源を作成する.
考察
低音域verを加工前後で聴き比べてみると,
加工前の方が,息成分のようなかすれ気味なノイズが多いと感じる.
逆に加工後は,よくも悪くもハッキリした発音になっている.
どちらが良いかという判断は下せないが,違いはハッキリと出るということはわかる.
高音域verの加工前後で聴き比べてみると,
加工前の方が,ハッキリと綺麗に発声しているように感じられる.
また加工後の方は,周波数表の作成が上手くいかないこともあり,
一部の音はUTAUに付属しているresamplerではなく,fresampを用いて周波数表を作成した.
UTAUのエンジン自体が,高音にかなり強い印象がある.
そのため音域を高音の方へ伸ばすために加工をするのは,そこまで得策でない気はした.
逆に低域の方に伸ばす加工に関しては,違いも明確であるし周波数表の作成自体も問題はなかったため,
音源によってはかなり使い道があるのではないかと思う.
難点としては,今回使ったMelodyne Pluginがそんな簡単に購入できない点だが,
これに関しては,STRAIGHTを使えば無料で出来るのではないかとも思う.