人力連続音開発レポート 補足記事

人力連続音開発レポートに寄せられた質問などに解答する記事です.

単独音との合成は?

開発レポートで取り上げたのは,
[a-n]と[*-n-a]のようなものでした.
質問の意図は,
[a-n]と[n-a]のようなものですね.
これに関しての解答は,
無声子音※なら実用レベル.
有声子音※の場合,原音次第.


今回実験した春歌ナナの人力連続音ですが,
"しゃ"などは単独音を合成しています.
”にゃ”などは人力連続音用に再録していただきました.
どちらとも単独音と合成したサンプルが以下です.
あしゃ:無声子音:OK
Download
あにゃ:有声子音:NG
Download


このように,無声子音では子音の前後の音程や声質が変わっていても
そこまで大きく違和感は感じ無いと思います.
実際にUTAUを通したものを視聴した場合でも,
ここに意見が寄せられることはありませんでした.
※無声子音:s/sh/h等
※有声子音:n/m/r等

切り出し場所について

原音の切り出し場所については,
人力連続音開発レポート その4 - 雑多にしっとりにて,一例を紹介したのですが,
その点についても質問を受けましたので,こちらにも書いておきます.


具体的な質問は,子音の切断面は下図で
「開発レポで書かれたのは青線(2)だが,赤線(1)ではいけないのか」
というものです.


これに関しては,子音によって変化します.
具体的に切断面を決める際に意識したことは以下です.

  1. 同じ子音では切断面の位置を共通する
  2. なるべく音量(振幅)が小さいところで切る


1.切断面の位置を共通するのは,音によって子音が2倍の長さになったり
逆に子音がなくなったりすることを防ぐためです.


そして今回の質問への解答の核が,2.です.
なるべく音量(振幅)が小さいところを切断&接続することで,
接続した際の粗が目立ちにくいようにしています.
なので,切り出す場所は正確にいうと,
「子音中の音量が小さい場所,かつ同子音中では共通の場所」になります.


とりあえず,解説が必要そうな質問はこんなところでしょうか.
ではでは.



追記:

口蓋化音と非口蓋化音は区別しなくていいのか?

すっかり頭から抜けてました.
これは今後の伸び白ですね.
口蓋化 - Wikipedia